🏛️ 歴史の謎

ストーンヘンジはなぜ「あの場所」に建てられたのか

約5000年前、イギリスの平原に巨石が積み上げられた。誰が、何のために――その問いへの答えは今も確定していない。

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平原に立つ、理由なき巨石群

イングランド南部、ソールズベリー平原の中心に、それは唐突に現れる。高さ4メートルを超える砂岩の柱が円を描くように並び、その内側にはさらに小さな青石が配置されている。ストーンヘンジ。世界で最も有名な先史時代の遺跡でありながら、建設の「目的」については現在も研究者の間で合意が得られていない。

建造は一度に行われたわけではない。現在確認されている研究によれば、紀元前3000年ごろから数百年にわたって段階的に改築が繰り返されたとされる。最初期は土塁と木の柱によるものだったと考えられており、石が持ち込まれたのはその後のことだ。特に注目されるのが「ブルーストーン」と呼ばれる青みがかった岩で、産地は約250キロ離れたウェールズのプレセリ丘陵であることが地質調査で示されている。

「なぜあそこまで運んだのか」という問い

250キロという距離は、現代でも容易ではない。重量2トンから4トンともいわれる石を、車輪も重機も持たない時代の人々がどのように運んだのか――いかだを使った水路輸送説、ソリと丸太を用いた陸路説など複数の仮説が提唱されてきたが、決定的な証拠はまだ出ていない。

さらに不思議なのは「場所の選択」だ。夏至の日の出と冬至の日没が、ストーンヘンジの主軸と一致することは古くから知られている。これを根拠に「天文観測のための施設」とする説が根強い。一方で、周辺から発掘された人骨の分析から「埋葬地あるいは祖先崇拝の場」だったとする見方もある。近年の調査では、遠方から集まった人々の痕跡も確認されており、「大規模な集会や儀式の場」という解釈も支持を集めている。

分からないことが、この場所を生かし続ける

ストーンヘンジが特別なのは、「答えがない」ことそのものにあるのかもしれない。5000年前の人々が何を信じ、何を恐れ、何を祈ったのか。文字記録は一切残されていない。残るのは石だけだ。

毎年夏至には今も多くの人々が集い、日の出を待つ。古代の建造者たちがその光景を見たら、何を思うだろうか。答えのない問いが、石とともに時代を渡り続けている。

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