🏛️ 歴史の謎

AIが暴いたナスカの「おかっぱ人間」――168点一斉発見の意味

ドローンとAIを駆使した調査で、ナスカの地上絵が一気に168点も追加発見された。その中には「首を持つ人物」など不気味な図像も含まれていた。

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「まだ埋もれている」と研究者が確信していた理由

ペルーの乾燥した台地に刻まれたナスカの地上絵は、20世紀に発見されて以来、世界中の研究者と好奇心旺盛な人々を引きつけてきた。ハチドリ、サル、クモ――そうした巨大な図像はあまりにも有名だが、研究者たちは長年「地表に見えているのは全体のごく一部に過ぎない」と感じていたという。それを証明する発見が、2022年末に報告された。

山形大学ナスカ研究所がドローン撮影とAI画像解析を組み合わせたところ、新たに168点もの地上絵が一度に確認された。同研究所の副所長は「多分いっぱい出てくると思っていた」と淡々と語った。その言葉の裏には、人間の目だけでは広大な砂漠をくまなく調べることが物理的に不可能だという長年の焦燥感があったのだろう。

「首を持つ人物」が語りかけるもの

新発見の中でひときわ目を引くのが、おかっぱのような髪型をした人間らしき図像だ。一見すると素朴でどこか愛嬌さえある。しかし同時に見つかった別の絵には、人間の首を手に持つような人物の姿も描かれているという。副所長はそれを「これは人間の首ですね、右上にあるのが」と説明した。

ナスカ文化が栄えたのはおよそ2100年前から1700年前とされる。その社会が「首を持つ存在」をわざわざ地面に刻んだ背景には、当時の儀礼や信仰、あるいは社会的な権力構造が反映されているとも考えられる。ただし、なぜこれほどの労力をかけて地上絵を描いたのか、誰に向けて描いたのか——その根本的な問いに対する明確な答えは、現代の考古学にもまだ出せていない。

技術が変えた「発見」の速度

AI活用以前の地上絵発見は、研究者が偶然に近い形で気づくケースも多かったと副所長は明かしている。それが今や、データを流し込めば人間が見落としていた薄い線刻をアルゴリズムが拾い上げる時代になった。

168点という数字は多いように見えるが、研究者たちはむしろ「これでも氷山の一角だ」という感覚を持っているようだ。広大なナスカ台地のどこかに、まだ誰にも読まれていない図像が眠っている可能性は高い。古代の人々が砂漠に何を伝えようとしていたのか——その問いは、技術が進むほどに深く、静かに広がっていく。

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